悪魔の毒々クチビル

レプリコーン3の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

レプリコーン3(1995年製作の映画)
4.1
「金貨を返せ!!」

今度はラスベガスのカジノでレプリコーンが金貨を求めてはっちゃけるお話。

順調に観進めている「レプリコーン」シリーズ3作目。
監督は「デモンナイト/惨劇のハロウィン」のブライアン・トレンチャード=スミスに変更。
アメリカでは95年にビデオスルーとなった今作ですが、その年のビデオの売り上げ1位だったそうな。

何故か最初は石像化した状態で出てきて、封印に使っていた魔法のメダルを外すとあっさり復活したレプリコーンですけど当然ながら前作でそんな描写もメダルも出てこなかったので、安定のシリーズ同士の繋がりゼロを貫いております。

今作における最大の特徴といたしましては、とにかくレプリコーンがノリノリでふざけるコメディ路線に振り切った事でしょうか。
「ベガス!俺の理想の街だ!!」と愉快に踊るだけでなく、医者やら霊能者やらコスプレもしたり普通にギャンブルして絡んで来た男を人間スロットマシンにしたりプレスリーの格好したおじさんと意気投合したりめっちゃベガスを満喫していました。
因みに今のところこのちょっとだけ出てきたプレスリーおじさんが、シリーズで唯一レプリコーンと絡んで襲われなかった人物だったりします。
こりゃ演じたウォリック・デイヴィスも楽しかっただろうなとか思いましたが、ウォリック本人もシリーズで今作が一番気に入っているようで。
この行き過ぎ感もある作風はぶっちゃけ賛否もありそうなんだけど、俺は好きです。しれっと医者の格好をして病院に何故か溶け込めるレプリコーンとか普通に笑えたし。

そんなレプリコーンの金貨を奪い合うのは、耳と足の指を食い千切られても金貨を物にしようとする質屋の店主、親から貰った大事な授業料や家賃代をカジノで全賭けしてボロ負けするアホ主人公、昔の美貌を取り戻したいおばさん、しょうもないマジシャン、借金取りに追われるカジノのオーナーと言った不屈の欲を持つ御一行。
そして特に欲には溺れる事のない優等生なヒロインのタミー。マジシャンのアシスタントの格好が異常にセクシー過ぎて最高です。途中からもうその格好で最後までいるのでもっと最高でした。
冴えないにも程がある主人公スコット役にジョン・ゲイティンズ。
全然知らなかったけど、脚本家としては「リアル・スティール」や「コーチ・カーター」等の有名作を手掛ける人なんですって。
「悪魔のいけにえ2」のキャロライン・ウィリアムズも出ていて、彼女の死に様もしょうもないんだけどインパクト大でした。

1では四つ葉のクローバー、2では鉄が弱点なのが明かされていましたが今作では魔法のメダルと急にファンタジー色が強い弱点が更新。でも今作でしか出てこないんだろうな。
あと金貨を破壊すると死にます。
それだけでなく何とレプリコーンに噛まれた主人公が徐々にレプリコーン化するおふざけ設定まで追加されていました。
見た目はそんなに似ませんが、口調がレプリコーンっぽくなったり魔法も使えるようになったりと皮肉にもレプリコーンと渡り合える展開になります。

目立ったゴアシーンは終盤の人体切断マジック(成功するとは言ってない)くらいでしたが、代わりにテレビから出てきた巨乳美女が唐突におっぱいロボットになって襲って来たりと、ヘンテコホラーな一面が強調されて新たな魅力にも繋がっていて楽しかったですね。
特にウォリックのレプリコーンが作品毎に気に入って来ている俺としては、今作の内容は非常に好みでしたし居るだけでセクシーマジックが炸裂しているタミーも大変眼福でございました。

ウォリック版レプリコーンは全6作あって、これまでU-NEXTに配信されているのは4まででしたが本当についこの間5と6も追加されていてマジでナイスタイミング!って訳で今月中にシリーズ全部観ておきたいです。