悪魔の毒々クチビル

レプリコーン4の悪魔の毒々クチビルのレビュー・感想・評価

レプリコーン4(1996年製作の映画)
2.8
「王女を返せ!!」

レプリコーンが宇宙で大暴れするお話。


前作がベガスだったのに対して今回は舞台設定が急に宇宙となる、「レプリコーン」シリーズ4作目。
監督は3と同じブライアン・トレンチャード=スミスです。
ジェイソンでも宇宙行くのに20年以上掛かったのに、レプリコーンさんは僅か4年で宇宙進出とこれも各シリーズが一切繋がっていない作品の為せる技なんでしょうか。
前回のふざけっぷりは個人的にはめっちゃ好きでしたが、流石にここまで来ると空回りするんじゃないかと不安もありつつ観てみると……


やってもうたな。
はい、今作は現時点でシリーズ最低の出来であり、終始安っぽい映像と演出を見せられる中々しんどい内容でした。
まず時代を考慮してもCGのクオリティが壊滅的。冒頭、宇宙船が映った時点で「あ、これダメなやつだ…」と察せるくらいには酷いです。
あとゴアシーンどころか血すらろくに出ず、登場人物のチンコからレプリコーンが出てくるくだりも描写としては面白いんだけど、一切血が出ない謎仕様のせいで本来なら馬鹿馬鹿しさとエグい残酷描写の融合した印象的なシーンになるはずが大分インパクトが薄れてしまいました。

レプリコーンも設定がかなり投げやりで、これまでは段々と靴要素が無くなりつつも金貨への執着心だけはそのままだったのに、今作ではそれもほぼ無くなってしまい、異星人の王女を娶って宇宙の王になるのが目的のある意味普通の悪人キャラに。
当然四つ葉のクローバーや鉄と言った弱点もガン無視です。
序盤にエセライトセーバーで戦っていた所だけ宇宙っぽさがありました。

登場人物はほぼ海軍ということで、何となく「エイリアン2」なんかを彷彿とさせるシーンがありますが(ラストはまんまよね)、基本的にみんな華が無いので観たばかりなのにもう顔とか忘れています。
逆にヒロインの上司が身体の7割くらいコンピューターと合体しているハゲ博士だったり、欲望故にレプリコーン側に付いてしまう王女だったりと軍人以外は変にキャラ付けされていました。あ、半サイボーグ軍曹は別か。
でもハゲ博士のキャラはウケを狙いに行き過ぎていて全然面白くないんだな、これが。

唯一良かったのはレプリコーンの特殊メイクだけでなく、終盤ハゲ博士がサソリとタランチュラのキメラになっちゃうんだけどしっかりアナログ仕様のキモンスターになっていて無駄にクオリティが良くて、CGのゴミクズさとのギャップが凄かったです。

とは言え全体的には当時からファンの評判が最悪だったのも納得の駄作ではありました。
舞台を宇宙にするには確実に予算や諸々が不足していただろうに、何故挑んでしまったのか。
前作から1年くらいで製作されたようですが、やっつけ感がレプリコーンの魔法でも誤魔化せないレベルでした。
5からまた舞台が地球に戻っているようで取り敢えずひと安心。