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ザ・ファブル 殺さない殺し屋のkuuのレビュー・感想・評価

3.8
『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』
映倫区分 G.
製作年 2021年。上映時間 131分。
南勝久の人気コミックを岡田准一主演で実写映画化した『ザ・ファブル』のシリーズ第2作。
岡田准一、木村文乃、佐藤浩市ら前作からのキャストに加え、宇津帆役の堤真一、ヒナコ役の平手友梨奈、殺し屋・鈴木役の安藤政信が新たに参加。前作に続き江口カンが監督を務めた。

裏社会で誰もが恐れる伝説の殺し屋ファブル。1年間誰も殺さず普通に暮らすようボスから命じられた彼は、素性を隠して佐藤アキラという偽名を使い、相棒ヨウコと兄妹を装って一般人として暮らしている。
一見平和に見えるこの街では、表向きはNPO団体『子供たちを危険から守る会』代表だが裏では緻密な計画で若者から金を巻き上げ殺害する危険な男・宇津帆が暗躍していた。
かつてファブルに弟を殺された宇津帆は、凄腕の殺し屋・鈴木とともに、復讐を果たすべく動き出す。
一方アキラは、過去にファブルが救えなかった車椅子の少女ヒナコと再会するが。。。

今作品は、ニョキニョキと血の気が引くような滑り出しで、邦画にしてはキレッキレアクションでスタートは巧みでした。
バッタバタと殺られるチンピラども。
これが本番やない冒頭だということはめちゃくちゃ期待して視聴を続けた。
今作品は、面白い動きで、見ていて楽しい作品でした。
邦画でもここまでキレたアクションと滑り気味が可笑しいコメディが作れるのは嬉しい。
上映時間は131分とチョイ長めですが、アッちゅう間で時間が流れました。
アクションシーンだけでなく、ベースとなってる人たちの人生を見ることができるのも巧いなぁと。
また、今作品はアキラだけでなく、宇津帆も主なテーマになっています。
彼のキャラは考えさせられるところです。
彼の二つの顔はまるで違っていて本心はどこにあるのかと考えずにはいられません。
本当に恐ろしい人なのか、日菜子のことを大切に思っているのか、それとも子供たちや恵まれない人たちを利用して違法行為の隠れ蓑にしているだけなのか。
答えをきになったら是非本編で。
少なくとも、宇津帆が仕事仲間の井崎と同じようにキモい野郎は間違いない。
余談ながらこの井崎役を、ジャッカル富岡役で出演してた宮川大輔にやってほしかった。
しかし、ほとんどでこのことに関心を抱く。
そういうことを考えさせるのが、今作品の巧いところ(原作者が巧いんかな)。
彼は本当は何者なんかと。
それは、ラストで答えを得るまで、私たちが常に問い続ける問題(ちょいオーバーに書きすぎかな)。
一方では、暗殺生活から引退したアキラの人生も描かれてました。
普段の仕事や山本美月演じる、アダルティなビデオ出演アリの清水ミサキとの関係も、彼の奇妙な笑い方と同じようにユーモラスだ。
AV経験アリってとこで、清楚な山本美月をキャスティングするとこもニクい。
ヒナコについても少し深く知ることができ、同情を買い、アキラを素晴らしい純粋さを見せるために使われる忘れられぬ章です。
彼女のバックストーリーや苦しみは、彼女が画面に登場するたびに、非常に大きな部分を占めている。
しかし、深く掘り下げるのは彼女だけでなく、他の二次的キャラも巧く盛り上げてた。
まぁ、テチ(平手友梨奈)は難しい役やのに健闘してた。
『梨泰院クラス』の邦画リメイク『六本木クラス』(10話終わってここまで観たら最後まで見る)同様に今作品でも彼女の存在意義は大きい。
今作品はストーリー展開もキャラもやり過ぎないのが、続編にはありがちなことやけど、ありがたいことに振り切ってた。
シンプルで正直なところ、とても共感できる映画でしたし、意外にも夢中にさせてくれました。
退屈を感じたところはなかった。
岡田准一、堤真一、平手友梨奈、山本美月の役作りが嵌まってたし、こちらも嵌まった。
どの役者もなりきっているし、中には殺意が湧くような人もいるほど。
今作品は、楽しくて、見ていてうんざりするような瞬間もあれば、笑ってしまうような瞬間もあり、様々なひねりがあり、徹底的に楽しませるものがあり、満足度の高い作品でした。
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