にひみ

海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版のにひみのレビュー・感想・評価

4.1
本作の存在を全く知らなかった。「空いてる時間で良い映画ないかなー」と適当に探していたら本作が目についた。
予告編を観て後悔。めちゃくちゃ面白そう、何でもっと早く観なかったのかと自分の不甲斐なさを痛感。
午前十時の映画祭にて鑑賞。

なんだろう、不思議な映画だった。渋い映画かと思いきや、意外と大衆向けな作品、いややっぱり渋いのか。普通の映画かと思いきや、際立って凄い部分が何個かある。一言で言うと評価がクソ難しい。

まず、凄かった部分だが圧倒的に台詞である。人生を0から考え直すような、今までの常識を疑うような、深すぎる名言が本作にはいくつも存在する。名言を自分の頭で咀嚼しているうちに次の名言が飛んでくるため、はっきり言って忙しい。素晴らしすぎる。

また、演奏シーンだが圧巻だった。昨年話題となった「BLUE GIANT」の影響で、ジャズのかっこよさに気づけたのだが、本作の演奏も度肝を抜かれた。曲のレベルもとんでもないのだが、映像もエグい。まだ映像技術が発達していない時代で、色々と試行錯誤した制作の裏側が見てとれる、脱帽だ。

ストーリー部分は普通。だいたい予想できてしまったし、驚きやワクワクも少なかったと感じる。
ただ、上でも書いた通り際立って凄い部分があったためさほど気にならない。
是非色んな人に、台詞に注目して観てほしい。
にひみ

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