スワヒリ亭こゆう

海の上のピアニスト 4Kデジタル修復版のスワヒリ亭こゆうのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

4K修復版が公開されるとあって、絶対に観たいと思い早速観てきました。
久しぶりに観たんですが、良い具合に忘れていたので新鮮な気持ちで観れました😊


船の上で生まれてこの方、陸に降りた事がない男・1900(ティム・ロス)は船の中でピアニストになったというお話です。

で、この1900の話を本作ではマックスというトランペット吹きに語らせるんです。
マックスがトランペットを売りに行った楽器屋の親父や船の解体業者など色んな人に1900の話をする事でストーリーが進むんですね。
コレって物凄い面白ポイントで、こうする事によりストーリーを1,2,3,4,5,6,7,8,9,10....と順に見せていかないで1,5,6,8など話が飛び飛びになっても無理がないんですよ。
だってマックスは自分の知ってる話しか出来ないですから🤔
1900が何であんなにピアノが上手いのか?
マックスと出会う前の出来事なんで知らんがな‼️ですよね😅

この様に映画に於いてストーリーテラーがいるのは良い事ですよね。
勿論、ストーリーテラーになり得るだけのキャラじゃないといけませんけど😌

本作は見せ場のエピソードが何個もあって、僕のお気に入りは波に揺られる船の中でピアノを動かして演奏する1900とマックスの出会いのシーンですね。

ここからはネタバレを含むので観てない方はご遠慮下さい。



それと1900が初めて陸に降りる事を決心して、船がNYの岸に着き、タラップを降りていくシーンが好きです。
1900は途中で立ち止まる。
陸には降りれないんですよ。
で、帽子を投げるんです。
この帽子の意味合いが僕は以前、観たときに思った感想は、帽子を投げるものの風に流され海に落ちるんです。
帽子すら陸に上がれない。という皮肉めいた運命を描いたと思ったんですね。
でも、今回もう一度観て、そういう風にも見えるけど、あの帽子で運命を決めたかったのかな?とも思ったんですよ。
勢いよく投げた帽子が陸に落ちたら陸へ。海に落ちたら船へ。という風にも見えたんですね。
真相は分からないけど、好きなシーンなのは間違いないです。


ピアニストとの対決のシーンも面白いし、やっぱりトルナトーレ監督は面白いなぁと改めて思いました。


映画館で観れて良かったです。