あさのひかり

フリーダ・カーロに魅せられてのあさのひかりのレビュー・感想・評価

4.0
個人的に映画館へ行きにくい状況になってきてるけど、フリーダ・カーロの絵はずっと気になってたからこれは見逃せなくて。フリーダ・カーロの作品と生涯をについてのドキュメンタリー。生涯は伝記映画で観たことあるけど、絵は実物はもちろん、印刷されたものとかでもほとんど観たことなかった。

フリーダ・カーロの絵を理解するためには、彼女の生涯を知らなくては理解できない。彼女の絵は彼女の個人的な痛みや悲しみや愛の表現だから。だから、その絵が描かれた文脈が分からなければ一見シュールレアリズムみたいだけど、知るとこれは彼女にとってのレアリズムだと分かる。

邦題のように彼女の絵や人柄に魅せられずにはいられない魅力にあふれているけど、好きとも言いきれなくて。それは彼女の絵から表現される「痛み(精神的にも肉体的にも)」って彼女個人のものなのに、同じ女性だからっていうのも大きいと思うけれど普遍性があるもので、共感せずにいられなくて自分に刺さってきて、好きって言いきると苦しくなっちゃうから。なんだかフリーダの絵にそんなものを感じたかな。

その美貌とファッションでアイコニックな存在でもあるけれど、その背景を知れてより一人の女性、表現者として理解できたような。アイコニックである意味神格化されてる部分もあったりして、イメージが独り歩きして余計に理解されにくい部分もあるのかな、というか、そのせいで私自身は当初とっつきにくさを感じてた、今は全くですが。

もっとあの絵について解説欲しい、みたいなのもありました(晩年の果物の絵めっちゃ解説聞きたかったけどなかったよね?)が、初めていろんな作品をじっくり、それも大きなスクリーンで観ることができて良かったな、なかなかない機会なので。
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