ポンコツ娘萌え萌え同盟

メトロポリス 完全復元版のポンコツ娘萌え萌え同盟のレビュー・感想・評価

メトロポリス 完全復元版(1926年製作の映画)
4.0
上映時間的にこっちかな。
度々フィルム状態が悪い場面はあるけど、以前見たときのものよりは基本的に鮮明で改めて『メトロポリス』のキャラクター、建物、機械までビジュアルの高さを堪能する。特にあのオールドで上位階級と労働階級のディストピアなスチームパンク感あふれる世界観のデザインがたまらない。

そしてラングは『メトロポリス黙示録』を作った。ヨハネの黙示録の引用もあるけど、特に三幕目のマリアの姿を模したアンドロイドによる労働階級の先導による不満爆発の狂乱ぶりが目まぐるしい。そして主人公により均衡は繋がれ修復する。

映像の面白さはさすがラングといったところか。ドイツ表現主義の流れを汲む演出から"顔"と"目"の表現まで印象に残る。あと序盤の労働階級の動作など。
それにしてもフレーダーも一目惚れするほどのマリアは美しく平和を説くけど、偽物とはいえ同じ姿のアンドロイドが魔女となり混乱の渦へと導く姿を見せられる脚本構成が癖に刺さる。
散々VIP先生とかでネタで観ていたあのダンスの場面も改めて観たら観客の表情みたいな感じで見てしまった