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ワイルドグラスのここのレビュー・感想・評価

ワイルドグラス(2020年製作の映画)
3.8
京都国際映画祭のオンラインチケットが400円だったので、見た。
本国上映から日が経ってないのに、日本語字幕が見られるのはありがたいな、と思いつつも、違和感に引きずられ…大変ありがたいけど今後上映や配信があるならもうちょっとスムーズな日本語がいいな……という贅沢をここで呟いておく。

主役の3人の演技のよさに感激。若さゆえの輝き、青さゆえの衝動。
麦役の女優さん、钟楚曦チョン・チューシー、ダンスがとてもよかった。細くて折れそうな危うさがあるのに、眼はとても強く、生命力を感じる。
黄景瑜ホアン・ジンユーの演じた风役は少し発達障害なのかなと思うシーンがあったりもして、その時代の中国での生き苦しさも垣間見えた気がした。もう少し风の生まれ育った背景が分かるとなお良かったかな、そこは少し残念。

黄景瑜目当てに見たのだけど、主役の3人の演技に惹き込まれた。言葉が多いドラマではなかったけど、各々の表情や演技に、観客側が考えを膨らますことができる余韻のある映画だと思う。


多くの人は都会に夢を見る、田舎を捨てて都会に出る。でも、その都会での生活は決して輝かしいものではないんだというある意味、普遍的な苦しみが胸に迫るものがあった。

構成に荒削りなものがあるけど、監督の情熱は強く感じる。
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