Rei

ウィッカーマン final cutのReiのレビュー・感想・評価

ウィッカーマン final cut(2013年製作の映画)
3.7
愉快では無いけど、よく出来た面白いお話だった。

導かれているようでいて、全て自分の意思で選択し、運命でも神の意思でもなくそこにいる。
何故か先日鑑賞したばかりの「君の膵臓を食べたい」がよぎってしまった。
※テイストは全然違います

よそ者がずるずると祭りに引きずりこまれていくシチュエーションはまさに「ミッドサマー」
ヘンテコな歌と、快楽が全てみたいな独特の教育、信仰により島民の幸福度は高そう。

大きく違うのは「ミッドサマー」は流されて断れない優柔不断さが仇になったのに対し、「ウィッカーマン」は、あなたが言う事を聞かずにズカズカ入ってきたんですよね?ってとこ。
まぁ空気読んでも読まなくても結末は同じなんですけどね。

糸で繋がれたゴキブリはぐるぐる釘を何周もして、いずれは身動きか取れなくなると笑う少女に、可哀想だと思わないのかと説く警部。
(あなたのことよ)とばかり皮肉な笑みを浮かべるだけ。

キリスト教によってもたらされた私たちがよく知る“常識”とはかけ離れているけれど、彼らにとってはそれが常識で正論、ただそれだけなわけ。
お互いの“正論”が交わる事はなく、抗っても気がついた時にはもう遅い。
そして奇跡はそうそう起こらないというストーリー。

クライマックスは、5月に放送されたクレイジージャーニーの中で紹介していた“バーニングマン”そのものだった。
今年はバーチャルでの開催らしいが、あの謎に包まれた奇祭の中でも、もしかして!?笑
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