うにたべたい

シン・ランペイジ 巨獣大決戦のうにたべたいのレビュー・感想・評価

3.7
庵野秀明監督の"シン・シリーズ"便乗タイトル作品。
一応、旧作が存在するだけ、以前感想書いた『シン・感染恐竜』よりはマシなのだろうか。

タイトルの元ネタはもちろん、巨獣が街で暴れまわる"ランペイジ 巨獣大乱闘"です。
元のランペイジは巨大なゴリラ、ワニ、オオカミが、シカゴを舞台にぶつかり合うはた迷惑な展開ですが、本作の舞台は無人の島です。
ランペイジといえば、アメリカでは有名なアーケードゲームを実写化した作品ですが、ゲーム版にジャングルのステージなどはないです。
原題も『巨鳄岛』でシンでもランペイジでもなく、さらに登場する巨獣はワニとクモだけで、この2体は決戦しません。
ランペイジやったことない日本人担当者が、パッケージから思いついて便乗してやった感がビシビシ伝わってきますね。

イロモノ感のあるタイトルですが、個人的には割りと楽しめました。
生き物が異常成長した島に墜落した主人公たちは、通信機の積んであるはずの機首へ移動する。
そして、ひとり、またひとりと、メンバーが犠牲になっていくサバイバル系アクション映画です。
メンバーは無敵のおじさんと彼の娘、娘の彼氏、妊婦とその夫、大学生、先生っぽい人、CAの人、性格の悪いイケメン、動画撮影に夢中の姉ちゃんなどで、見ての通り、設定時点で死亡フラグ立ってそうな人物もいます。
誰が生き残るのかは大枠予想通りで、特に意外性もなく死んだり生き残ったりします。
死に方のバリエーションもワニ or クモと乏しく、ほぼ即死なため、サスペンスホラー好きの諸氏には物足りなさを感じる可能性があります。
せっかく巨大化したのに、巣に捕らえられて内部から溶かされるとかSFXを駆使した死に方をしてくれないのは残念でした。

展開が読めるベタなストーリーですが、楽しめなかったかというとそうでもなかったです。
むしろ王道展開の安心感があり、ワニやクモの特撮もしっかりしていて、巨大生物好きの私も満足なワニさんでした。
タイトル以外は王道展開の良作でしたが、タイトルがまともなら観てなかったと思うので、結局、タイトルの術中にハマってしまったのか。