静まり返った夜のオフィスビルで、回転ドアに閉じ込められてしまった男女の出会いを描いた話。
危機的な状況に陥った二人が打開策を考えるうちに距離が縮まっていく、いわゆる吊り橋効果というやつ。エレベーターとかはよく見るけど、回転ドアというのが新しい。自分の側の扇形のスペースは守られるから適度な距離が保てるしね。
恋愛を題材にした群像劇の一幕としてそのまま使えそうな設定。
ガラスに顔をぶつけて鼻血は出るわ、バッグは挟まれるわ、踏んだり蹴ったりで不機嫌だった女性を、ユーモアを交えながら解きほぐしていく男性の器量が見事。
挟まれていた女性のバッグがいつのまにか盗まれていたことになっていたのは気になった。誰かが近くまで盗りにきたってことなのかな。
回転ドアって日本ではほどんど見なくなったけど、海外ではどうなんだろう。混雑するし、このような事故が起きかねないしで、子どもの頃から恐ろしかった。でも通る時は謎の緊張感があるし、少しワクワクもした。東京ドームのはまだあるんだろうか。