垂直落下式サミング

劇場版ポケットモンスター/ダイヤモンド&パール ギラティナと氷空(そら)の花束 シェイミの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

2.8
まぼろしポケモンのシェイミが主人公となる本作のストーリーは、悪者に狙われるシェイミをサトシたちが守るというもの。
映画のシェイミは生意気な口調で恩着せがましい性格のツンデレ。なかなか犯し甲斐のありそうなやつだ(重症)。
この世代に新登場したポケモンにしてはかなりいいデザインだと思うが、空を飛ばないほうが可愛いし、人の言葉は喋ってほしくなかったな。
ポケモンにはなるべく鳴き声だけで感情を表現してほしいんだけど、よく考えれば架空の生き物の鳴き声だけで感情を表すのは、とんでもなく高度な演技だ。プロの声優と言えど鳴き声演技は誰にでも出来るもんじゃないのかもしれない。
ストーリーとしてはなんだか凡庸というか、過去作にあった要素の薄口の焼き直しな感じ。同じ事を語り直すなら、もっと主人公ポケモンを掘り下げてもよいのではないか。
今回の悪役キャラクターはちょっとワケアリだが、クローズアップされるわりに動機が薄っぺらい。ポケモン映画の悪役は「ただ漠然と悪い」というだけで成立するので、過度な深みはいらない。ポケモンの主人公はポケモンなのだから、人間の方にドラマの比重をおいてどうすんだ。その余裕があるんならポケモンをちゃんと見せてほしい。
厳しめな評価かもしれないが、シリーズのなかではけっこうつまんない部類だった。
それと、アニメがダイアモンド・パールになってからけっこう経ったはずだが、ヒカリちゃんのポッチャマはずっとポッチャマのまま。前のシーズンでアチャモがワカシャモになってしまったことで女児人気を落としたことの反省なのか、これ以降は女の子の手持ちポケモンは一番かわいい状態のまま進化しない感じらしい。その方がヌイグルミとか売りやすいんだろう。
でも、エイパムは進化しちゃうのかー。エテボースにはならないほうが可愛いのにな。
ダイパ世代では既存ポケモンの新しい進化態が多く出て、私は当時概ね好意的に受け取ったし、リーフィアとグレイシアはもちろん、モジャンボやマンムーやヨノワールなんかも好きだけど、エテボースだけは嫌。目がまんまるじゃあなくなってるし、目と目の間隔がちょっと開きすぎて、表情が無気味で怖いんだよな。絶対進化させない。