甲冑

水俣曼荼羅の甲冑のレビュー・感想・評価

水俣曼荼羅(2020年製作の映画)
4.5
この手の作品ではそうなってしまいがちだと思われる被害側・弱者・善/加害側・権力者・悪の二元論を回避し、重層的で複雑な生の感情を炙り出す作りになっているのは監督のなせる所であろうし、それでいてエンターテイメント性も抜かりない。チッソ、国、行政側の視点ももう少しあった方がとも思ったけど別に検証映画ではない訳で。悶え神の話はそのままこの映画の視点にも重なり人の観念って伝播するのかもとか思った。『神軍』に並ぶか越え級の代表作になるのでは。あと年始一発目満員となった七藝は監督、関係者、当該の世代と思しき方々も見られ、振る舞い酒もあり臨場感があって楽しかった。

この後、私は大掃除でギックリ腰となり坐骨神経痛を再発させたり急性腸炎で救急車で運ばれるなどで当面映画館で座る事もできない体となり散々な年明けになっているのであるが劇中の方々を思い出しこれしきの不自由さでガタガタ言うてたらあかんなと。でも…やっぱり弱い人間なので、むっちゃつらい。
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