JunichiOoya

普通に死ぬ いのちの自立のJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

普通に死ぬ いのちの自立(2020年製作の映画)
4.0
重度障害を持つ人が「普通に生き」「普通に死ぬ」ことをいかにして獲得するか。

カメラは、グループホームやデイサービスを担う人たち、そして当事者の家族の目となって大量のことばを見る者に浴びせかけてくる。

その立ち位置は障害当事者や家族を「支援」するのではなく、ともに生きともに死ぬ者としての頑ななまでの矜持。
例えばべてるの家の人たちとは随分温度が違うし、かつて原一男が撮った青い芝の会ともまるで違うベクトルの情熱を感じた。
やりまっせ、やってまっせ! という彼らの強い信念と決意は他者の共感を必ずしも求めてはいないのかも。

後半登場する西宮青葉園には何度か伺ったことがあるが、あの情熱の源泉を少しなりとも理解することができた。

ただ、映画として伝えることを伝えきれたかというと…。
120分で表現するには編集も構成も少し荒すぎたのではないかと感じる。同じ内容であれば、書籍の方がより伝わったのではないか?
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