ほーこんそん

女王トミュリス 史上最強の戦士のほーこんそんのネタバレレビュー・内容・結末

4.4

このレビューはネタバレを含みます

騎兵軍団の迫力が半端ない。この手の映画の戦闘シーンは序盤とか後半だけ豪華なことが多いですが(グラディエーターとかアレクサンドロスとか)、一貫してダイナミックでした。邦画の歴史物にも見習って欲しいぐらいです。カザフスタンこんなにお金あるのか…。シナリオも演出も、全てが王道。ただ、演出過多でややくどい印象を受けました。

時代が時代とはいえ、主人公側が略奪万歳な思想なのは面白い。少し前の大河ドラマが時代背景にそぐわない反戦思想を押し出してたのとはえらく違います。あと、軍国主義のスパルタ王のくせに「FREEDOM!」とかいっちゃう「300」のレオニダスとか。現代の思想や価値観を歴史に投映するなとはいわないけれど、主人公の出自とかはある程度配慮して欲しいかなと思います。そういった意味では、本作は歴史と作り手の思いが上手く噛み合っていたように感じました。草原の民が自由を求めるのは何の違和感もないので。

個人的にはキュロス2世率いるペルシア軍を見られると思ったのですが、登場は意外と後半でした。ただ、出番は少なめながらも扱いはかなり良かったです。(いるか知らないけど)ペルシア帝国ファンにはおすすめ。大王様かっこよかった。

余談ですが、トミュリスのセリフの字幕が時代劇のお姫様みたいに古風なんですよね。やや古めかしい台詞回しが女優さんの凛々しい佇まいにマッチしてました。