ペコリンゴ

ノッティングヒルの洋菓子店のペコリンゴのレビュー・感想・評価

3.5
記録。
生き続ける、亡き彼女が見た夢。

人種のるつぼロンドン。その西部に位置するノッティングヒルを舞台に、夢半ばで急死した女性の夢を叶えようと奮闘する人々を描く作品。

甘いものがスイーツと呼ばれ出してどれくらい経つだろう…なんて素朴でどうでもいい疑問は置いておいて、邦題の通り洋菓子店を舞台にしたストーリーです。原題「Love Sarah」は店名でサラってのは亡くなった女性の名前。サラの母親、親友、娘の三世代からなる女性陣と、過去にサラと何やらあったらしい二つ星シェフが洋菓子店を開店し繁盛させようとするって流れ。

サラの死から始まるんで最初はやっぱり暗いんですよね。でも三世代の女性それぞれにサラの夢を叶えたいって強い動機があってドラマもある。彼女たち、物語の進行につれてどんどん綺麗になっていくんです。

個人的に一番気に入ったのは色彩の演出。そもそもノッティングヒルが洒落た街並みなんだけど、そこにお菓子や衣装の色がセンスよく調和してて目に美味しい。

クラリッサ役の女優さんは初めて見たけどとっても可愛らしい方でしたね。

そんな素敵ポイントの数々が、ケーキの上のフルーツのように散りばめられた佳作だと思います。