ジェイコブ

シャザム!~神々の怒り〜のジェイコブのネタバレレビュー・内容・結末

シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

両親に捨てられ、里親に引き取られた少年ビリーは、見た目はオトナ頭脳はコドモのヒーロー、シャザムとして、兄弟姉妹達と共にフィラデルフィアの街を守っていた。ある日、ギリシャの博物館で、展示されていた古代の杖が二人組の女に盗まれる事件が起こる。女達の正体は神の娘ヘスペラとカリプソで、自分達から全てを奪った人間達に復讐を考えていた。神の娘たちの企みを知ったビリーは、兄弟姉妹一丸となって立ち向かおうとするのだが、それぞれが自分のやりたい事を優先するあまり、チームの気持ちはバラバラなっていく……。
DC映画最新作。ライトオフやアナベルなどで知られるヒットメーカー、サンドバーグが前作に引き続き監督を務めた。
ホラー映画の監督として知られるサンドバーグなだけあって、前作同様他作とは頭一つ抜きん出たクリーチャー造形の精巧さや、時折見せるホラー描写の上手さは眉唾ものだった。やはり、ヒーローとホラーの親和性は高いことを再認識する。あと、アナベル人形の友情出演(?)もポイントが高い笑。また、後半のとある人の登場には、DCファンならば誰もが胸が熱くなったことだろう(確かに言われてみればあなたも……だった笑)
前作同様に、テーマは家族であるが、裏テーマとして、ヒーローとは何かを描いている。突然チームのリーダーとして、バラバラの個性をまとめることに苦悩するビリーに、学校ではいじめられているが、ヒーローである自分という存在がいることで歪んだ優越感に浸るフレディ、ヒーローをやりながらもスーパーパワーでもどうにもならない現実に藻掻くメアリーなど、突然ヒーローとなった6人が、それぞれが抱える現実問題と向き合う姿、また強大な力を持つ神々を前に、ヒーローでいることの覚悟を問われている。
ラスト、ウォラーから使者として、ピースメーカーではお馴染みの二人組がシャザムのもとを訪れる。ジャスティスソサエティの名前に不満を抱き、よりによってアベンジャーという名前をつけようとしたシャザムの無邪気さには笑わざるを得なかった笑
ただ映画自体は面白いのに、話題沸騰中のエブエブと公開日が近いこともあり、あまり話題にされていないのが気の毒なところ。そういえば前作もエンドゲームと公開日が近くて同じようなことになってたな……。シャザムは運の神には好かれていないのかもしれない。