MorrisWood

シャザム!~神々の怒り〜のMorrisWoodのネタバレレビュー・内容・結末

シャザム!~神々の怒り〜(2023年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

前作はコメディ要素の多いヒーローモノとして面白かったし、同時に、「家族」をテーマとしたドラマものとしてもよく出来ていてちょっと感動してしまったくらいには好きだった。

続編となる本作では、主人公が前作でヴィランが持っていた魔法の杖をいい加減に扱ったばかりに、新たなヴィランを呼び寄せてしまい、一般人の犠牲者が出ているのだが、ストーリ上もその辺りについて一切触れることなく終始主人公が無神経にギャグを連発しているがちょっと引いてしまった。主人公に無駄にヘイトを集めない脚本術はハリウッドの基本だと聞いたのだが…

また、ヴィランの行動目的が当初「(上述の)杖を取り戻す」だったのに、いきなりルーシー・リューが「やっぱ杖使って人間界ぶっこわすわ」と行動目的を切り替えるなど、主人公の前に立ちはだかる悪役としてチンケすぎて緊張感もなかった。その他、終盤のユニコーンのくだりなど、一切の伏線のない行き当たりばったりの展開が続き、DC映画の雑な脚本に慣れていても結構つらかった。

さらに、ドラマものとしても「年齢が上がってきて、里親の家にいれなくなる、家族がバラバラになってしまう」という課題が序盤に提示されてたのに、そこはほとんど触れられずいつのまにかエンドロール前には解決してしまった感じになっていて、主人公の内面部分が全然掘り下げられてなかったのも残念。

総じて前作が好きだっただけにもうちょっと丁寧に作ってくれれば…と思ってしまう作品であった。
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