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ザ・フラッシュのyahのレビュー・感想・評価

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
5.0
鑑賞履歴
6/1 超速試写会(字幕・未完成版)
6/14 ジャパンプレミア(吹替・完成版)


一般公開前に運良く2パターンで鑑賞。

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エズラ・ミラー演じる超高速移動可能なスーパーヒーロー『フラッシュ』初の単独作であり、いわゆる誕生秘話を描く“オリジン”でもありながら、マルチバース映画でもあり、『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダー・カット』『バットマン・リターンズ』の続編でもあり、『マン・オブ・スティール』の部分的なリメイクでもある本作。


2014年10月より企画の存在が判明していた本作は、ザック・スナイダー監督に突如訪れた愛娘の訃報による『ジャスティス・リーグ』制作中断と監督交代、DCEUシリーズの興行的失敗、当初予定されていた本作の監督降板、新型コロナウイルス、そしてエズラ・ミラーの私的トラブルなど様々な理由により制作・公開が大幅に遅れた。当初の公開予定は2018年、5年前である。

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実に9年。
DCファン、エズラ・ミラーファンは9年もの間、本作を待ち望んでいた。

その本作が遂に、なにより無事公開日を迎えた。

それを私たちが喜ばないわけがない。

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本作は『バリー・アレンが別次元の自分、そしてティム・バートン版バットマン、新生スーパーガールとチームアップし巨悪と闘う』というコミックらしさ溢れるマルチバース物でありながら、『過去に戻って母の死を阻止し、現代を改変する』という王道なタイムリープ系SFアドベンチャー作品だ。

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見所は“冒頭からクライマックス”系な大規模アクションはもちろん、それ以上にドラマチックで感涙必須な脚本、そして1人2役を完璧に演じ切ったエズラ・ミラーの演技力。

“もう1人のバリー・アレン”は予告編でも判明しているように、無邪気で頭の足りない青年だ。主人公バリーは多少はおちゃらけるがいわゆるコミュ障なので、この絶妙な演じ分けを見事にやり切ったエズラ・ミラーのファンは本作で更に増えるだろう。

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また一筋縄ではいかない複雑な脚本も大きな魅力のひとつだが、全容を把握した2度目の方が圧倒的に没入感が高く、連続する“衝撃の展開”にも身構えることができた。

是非リピート鑑賞をお勧めしたい。

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個人的には☆5を付けたいほどの大傑作なのだが、唯一の欠点である「VFX」についてはどうしても無視できない。

序盤でバリー・アレンが活躍するアクションなど、一部シーンにおいてまるでプリプロのような粗雑なCGが見受けられる。

もう少しなんとかならなかったのか、CGではなく実写でも表現できそうなシーンだったのに、と鑑賞のたびにノイズとなっている。

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日本語吹替版について。

1991年ぶりにカムバックしたマイケル・キートン版バットマンは、当時キャスティングされた山寺宏一が再演。

またスーパーガールには洋画吹替初挑戦である橋本愛を起用。

人気俳優でも声優として良い演技が出来るかは全くの別問題だが、橋本愛さんは初挑戦ながらに「超一流の演技力」を見せてくださった。今作吹替版最大の功績は、橋本愛さん演じるスーパーガールに違いない。

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6/1試写の「未完成版」と6/14プレミアの「完成版」では鑑賞後の感想や余韻が大きく変わるほど劇的な変化(追加シーン)があったのだが、ネタバレを避けるためにここでは何も語らない。

そして、完成版を知った今となっては試写の未完成版が愛しくて仕方ない。もう二度と鑑賞できないなんて……。

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私は週末に早速IMAX、ドルビーシネマを予約。4DXでも鑑賞予定。

本作の画角はFLAT(ビスタサイズ)。
IMAX拡張シーケンスはないものの、縦横比を確認する限り2%ほど横に広いらしい。映写機の調整でトリミングされる範囲内なので、気にする必要は全くない。

皆さんも是非劇場で。大画面映えする作品です。
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