symax

ザ・フラッシュのsymaxのレビュー・感想・評価

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
3.8
"時空"を超えた…"過去を変えられる"そうバリーは考えた…母を父を救いたい…その一心で光の速さを超えたバリーは過去を変えた…だが…

昨今のヒーロー系の中で一大ブームとなった"マルチ・バース"…正直、やや食傷気味である事は確かなのですが…トンデモない作品が現れました…

スナイダー版ジャスティス・リーグの地続きである本作は既にバリー=ザ・フラッシュのバックボーンは過去作で説明済みとあって、オープニングから実にフラッシュらしいアクション・シークエンスの連続でどっぷり…

ペン・アフレックの尻アゴバットマンにも見せ場がたっぷりあり、当初のなんだかな〜な印象を一掃するカッコ良さを魅せまくりとなっております。

一時は、公開すら危ぶまれたエズラ・ミラー…母が死んでしまったバリーと母が死ななかったバリーを時にユーモラスに、時にウザく演じ分け、飽きる事なく素晴らしい演技となっています。

何より本作の凄みは、マイケル・キートン…バートン版バットマンをこよなく愛する身としては、この演出にはヤられまくりです。

この手の作りは、スパイダーマンでピークを迎えた筈でしたが、酷評続きのDCでまさかの"ノーウェイホーム"越えとも言える作品になるとは…最近のMCUの質の低下を考えるとDCのレベルは格段に上がり、立場が逆転したのかと感じるほどです。

また、今作の良さの一つに、バリーの苦く切ない選択が挙げられるかと…ただのおちゃらけヒーローではない渋さが胸に刺さります。

スーパーヒーロー作品が乱立し、MCU・DC共にその人気は一時に比べて評価が低くくなってしまっているのが、最近の流れと言えますが、今作の成功が他の作品に与える影響は大きく、今後のヒーロー物の新たな可能性を導く作品なのかもしれません。
symax

symax