むぎちゃ

ザ・フラッシュのむぎちゃのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

いくらファンサに徹しても、映画としての見応えやフックを疎かにしては本末転倒なのである。


まさかの幻のニコラス・ケイジ・スーパーマンや最後のジョージ・クルーニー・ブルースまで、まさにサプライズ招集の雨あられだった。
多分知らんサプライズもあっただろうが、結構な数は把握出来たと思ってるのでそこは充分楽しめた。
ただ、そのわちゃわちゃしたお祭り騒ぎ感と、映画としてのカタルシスは別物だったな…。

この辺はどうやら配給会社とのゴタゴタに起因しているらしいが、キートンバットマンや、超絶造形美のスーパーウーマンが完全に使い捨てだったのは…うーん。

また、迷い込んだマルチバースは結局救えず終い?若バリーの犠牲でバース全体の秩序は保たれたのだろうが、メインの舞台となったあの世界線はバッドエンド?…うーん。

で、さらに言うとオチが結局「過去改変しちゃおう」って?
最大のトラウマであるはずの両親の死を「それがあったから今の自分がいる」と説いてくれたブルースの話は?そういう教えは至る所にあったのに、結局自分がそうしたいって動機でトマト缶の位置をずらすって…。
何も学びはなかったのか?別世界とは言え自分自身が犠牲になったと言うのに…。

とまぁこの辺はかなり残念ポイント。
特にフラッシュというDCにあって明るいキャラクターの主演映画とあっては、尚更バッドエンドの匂いを漂わせて終わらせて欲しくはなかったな。

とは言えマン・オブ・スティール由来のスピードバトルやバットマンのガジェット&肉弾戦、もちろんフラッシュの超高速モーションの迫力は文句なし。こういうのはほんとにIMAXで映える。
これらの要素をもっともっとマシマシにしてくれてれば前半の文句も霧散してただろう。


で、余談だけどこの手の映画を観るにあたって、「予習のためにどの作品を観れば良いか」って意見が散見されるよね。
最終的には個人のお好きにどうぞって話だが、まず断言できるのは、「義務的に予習して頭で分かったところでそんなに意味は無い」って事。
元々好きで好きでだったら勿論ファンサ要素は純粋に楽しめる。
これが義務的予習の場合は「あぁ、これあの作品のね」って理解できるだけなんだよね。
更に言うと、その程度は別に予習しなくても「あぁ、きっと過去作の何かなんだろうね」って分かるし、そうなると予習してもしなくても理解度ってそんなに変わらないと思うんだよ。
主軸のストーリーは必ず説明がある以上、それ以上を楽しめるのは元々好きな人の特権なんだな。
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