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ザ・フラッシュのペインのレビュー・感想・評価

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
4.3
色々と禁じ手だらけな映画とは言えるが、それらが徹底しており、てんこ盛りで抗えぬ“面白さ”。トム・クルーズが本作を気に入るというのは納得。

特に冒頭のバットマンが絡むアクションシークエンスは今年観た映画でも屈指の“アガる”瞬間だったとは言えるし、少なくとも“劇場の大音響で娯楽大作を浴びる”という醍醐味は存分に味わえる1作。流石は『IT それが見えたら終わり』のアンディ・ムスキエティの手堅い手腕。

所々でユルく、140分台という尺を感じさせる瞬間もなくはなかったのだが、前述の同じく140分台ヒーロー映画『スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース』と比べると、力を入れるところと抜くところの緩急バランスが巧く、ずーーぅっとギンギンバキバキ一辺倒なアクロス・ザ・スパイダーバースのような“ダレ”や“疲労感”は無く“見易かった”。

スーパーガール役の新星サッシャ・カジェがとても話題になっているが、個人的にはやはりエズラ・ミラーとマイケル・キートンの“俳優”としての魅力、層の厚さに感心するばかりであった。しみじみこの二人あっての本作であるなと。

マイケル・キートンには自分と誕生日が同じというだけの勝手なシンパシーを持っているが、本当に好きな俳優で、彼が俳優としてのキャリアを立て直し新たなフェーズへの突入を示してみせた傑作『バードマン あるいは無知がもたらす予期せぬ奇跡』や、なんといってもティム・バートンの名作『バットマン リターンズ』はマイベストヒーロー映画の1本。そんなキートンバッツ🦇の使い方として、本作はこの上なく良かったと思う(ベンアフもとても良い)。
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