映画は、つぎはぎだらけの不格好な姿をしている。やり直せない過去（フィルム）を寄せ集めて作られているからだ。では、過去をなかったことにして理想の姿を描いたら何になるのか？それがビデオゲームだ。完全攻略されたビデオゲームはつぎはぎのないキレイな姿をしている。
何をいいたいのかというと、つまり映画におけるヒーローとは、覚悟を決めて過去のあやまちを背負った人間のことを指すのだ。だから、映画のクライマックスが地味なやりとりでも、それがヒーローが誕生する瞬間であれば立派な映画になってしまうのだ。逆に過去を背負わなかった人間はヒーローになる夢は叶わない。然るべき過去が存在しなかった別のフラッシュがそれを証明している。
ビデオゲームの誘惑に半身浸かりながら映画を選択したヒーロー、それがザ・フラッシュだ。
