ゆかちん

ザ・フラッシュのゆかちんのレビュー・感想・評価

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)
4.3
めちゃ良かった!
最近のMCU含めても一番になるんちゃうかってくらい良かったかも。
IMAX効果もあってテンションめちゃ上がった。

やっぱDCは単独作品がいいな笑。
無理に集合作品を作るより、今作みたいな、単独作品の中でクロスオーバーしてるっていうやり方の方が良い感じがした。

しっかりとしたフラッシュの魅力が詰まった単独作品でありながらも、DCEUやそれ以前のDC映画を紡ぎ合わせてて、オールタイムDCって感じがしたのも良かった。
他のキャラクターが出るからフラッシュが霞むかといえばそうではなく、ちゃんとフラッシュの物語。
フラッシュの物語だからといって周りのキャラクターはそこそこかというとそうではなく、ちゃんと魅力を引き出していた。
これの両立がめちゃ良かった!

あと、コメディ要素がめちゃ良くて、声出して笑う箇所が何回も。
笑いのツボが合いましたw

ただ、見終わったときは興奮してたけど、冷静に思い返していくと、やっぱモヤモヤはあったかな〜。。



↓↓ネタバレしながら感想↓↓

<冒頭のバリーの生活とジャスティス・リーグ>

一番「たまげた!」てなったのは、この冒頭かもしれない笑笑。
この最初のパートが最高すぎた。これを観たかった!!

バリーの日常…あのカフェの店員さんのナチュラルなウザさw

そこにアルフレッドから電話がかかる→フラッシュスーツに着替えていざ!てところでタイトルコールが出てきた!→て思ってたら、一般ピープルに声をかけられてタイトルコールがシュンと下がるw→少しやりとりあってようやくタイトルコール!
…ってくだりがおもろ可愛くて良かった!

そして、フラッシュの能力の描写の仕方もいいね。
ドラマ版は光をヒュンッてつけるやり方なんだけど、映画版は周りが動くやつ。
X-MENのクイックシルバーもこっちやけど、このフラッシュのは周りが不自然な歪み?や光を伴うCG?VFX?で、これだけ速いと周りはこう見えるんかなって思えて良かった。
CGが荒いって意見あるみたいやけど、わざとなんかなって思えたよ。

あと、映画版のアイリスは、ぽちゃっとした雰囲気が可愛かった!


●病院での人命救助。
ここめっちゃ良かった!!
赤ちゃん、いくら下でキャッチしても普通はアウトになりそうやけどw、助かって良かった。
赤ちゃんは抱いて移動できないからああやったんやろね。
ちゃんと犬っころも無事。
この犬っころをメインに後ろでフラッシュが人命救助してるのがエンディングになってて、なんかシャレてるな〜って思った。

●ベン・アフレック版バットマン
バチバチにかっこよー!
てか、このバットマンはジャスティスリーグのメンバーに出逢って少し丸くなってるというか、可愛げもおかしみもあるバットマンやなぁと。レゴのバットマンに近いというか笑。

アクションがめっちゃかっこよよよ!
悪者は絶対許さないマンとなってボカボカやっつけるパワー系のアクションとてもかっこよい。
スーツとか色々全体的にガッツリいかつい系。
バットモービルとか色々駆使して闘うのかっこよい。
でも、あまりエグいことはしなくなってるような。他の能力者と出逢い、「ヒーロー」という役割を理解して受け入れてるのかな。そういえば、日中に闘ってるのも珍しい?

あと、ワンダーウーマンのヘスティアの縄で、真実語らされたとき、「財産なんてどうでも良い、人助けがしたいんだ」て、美しすぎて笑けるくらいヒーロー発言してたのもニヤニヤ。

バリーが過去に戻れると言う話を聞いて会話してる時の表情とか、心に傷を抱えつつ、そこに囚われず前を向いて進み出した優しいブルース・ウェインになってて良かった。
だからこそ、あれでお別れなのは悲しすぎる😭

でも、ジャスティス・リーグで終わらず、こういう活躍と成長を見せて終われるのは、ベン・アフレック的にも良かったのかなぁ。

ベンアフバッツ、また観たいよー。

しかし、バットマンの仮面被ってる時は口元パツパツやけど、普通になると「あれ?ベンアフ痩せた?」てなる。スーツぱつぱつなんかな。

●ワンダーウーマンとスーパーマン
スーパーマンもちゃんと人々のために活躍してるのがテレビで映されてるのも観れたし、ワンダーウーマンも遅れて登場したのも良かった!
やっぱ美しい〜〜〜。美の圧がすごい!!
彼女が現れてベンアフバッツとかがドギマギしてるの可愛すぎやろw

また観たいけど、、どうなるのかな…。。



<過去に戻り過去改変>

●エズラ・ミラーの一人二役
やっぱエズラ・ミラーは良い役者だなぁ〜。
ドラマのフラッシュも好きやけど、このフラッシュは確かにエズラ・ミラーしか無理かもってくらいハマってた。
ドラマと映画で同一人物でも違う描き方してるからね。だから、逆にドラマのバリーはグラント・ガスティンしか無理やと思う。

エズラ、隠キャ役も陽キャ役もナチュラルにハマるし、心に傷を負いながら…という要素もすごくうまく表してていいよね。
明るくても本当は…みたいな奥行きの出し方も、コミカルな要素も、狂気の表情も、どんな役も全て自然に見えてスッと入ってくる。


しかし、母が生きてて両親に愛情たっぷりに育てられると、あんな陽キャになるんやね笑。
最初、若バリーが踊りながら家に帰ってくるとこ笑ってもたw

バリーと若バリーの掛け合いもテンポ良くていい。
若バリーは危なっかしいね。若いからてのもあるのかもやけど。本軸と違い、危険を経験したことがないからかもしれないね。

壁を通過するとか、手のブルブルとか、ドラマと同じ技が出てくるのテンション上がるな〜。コミック要素なんやろな。

パワーを得た若バリーのやらかしも、DCEUでは既にパワーを使いこなしてるところから始まったから補充する感じで良かった。


●マイケル・キートン版バットマン
最高じゃね??
マイケル・キートン版バットマンは観たことが無いのだけど、このバットマンめっちゃ良かった。

最初は世捨て人な様相。しかし、動きは素早く格闘も出来る。
そこから、再びバットマンに。
怪我をしても、「これこれ!」と、この復活を嬉しく思ってるのだろうというのが端々と感じられる表情がいい。

あと、長らく引退してたから機材とか古いってのもいいよね〜。
そして、闘い方がベンアフ版とは少し違うのかな。
格闘もするけど、よりアイテムを駆使して先を読んで賢く立ち回る感じがした。
スパイぽさが強いというか。

アルフレッドのペンが切ない。。。
彼がなぜバットマンを引退して世捨て人みたいになってたのか、ジョーカーの笑い袋持ってる理由、なぜタイムトラベルとその代償について理解が速くてより詳しく説明出来るのかなど、もっと彼の物語を知りたかった。

最後どうしても死んでしまうけど、とても満足そうだったのが、なんとも良かった。
「もう戻してくれた」というのは、自分の廃人状態だったところから、またバットマンとして生き返らせてくれたってことなのかな。。
 

●スーパーガール
クールビューティー!めっちゃハンサム!!
彼女の物語はそこまで深くなかったし、アクションも脚本上そこまでだったけど、めちゃくちゃ魅力的やった。
パワーとしてはスーパーマンと同じやし、アクションの付け方と同じ。そこも良かったな。
この次元の彼女はどうしても死んでしまうけど、また出てくるかな〜。
サッシャ・カジェ、まだ新人さんみたいやけど、いきなりこういう役に当たるのすごいね!
これから色んなとこで見かけるのかな。


●ゾッド将軍
マイケル・シャノンが再演!…なんやけど、仕方ないとはいえ、駒的な役割の枠から出なかったのが残念。
マイケル・シャノンの今作に参加したことについてのインタビュー見たけど、不服そうなの納得かも。スーパーマンの映画でちゃんと深掘りしてたから余計にね。
でも、良かった!


●どうしても破滅するユニバースとダークフラッシュ
若バリーの能力とバリーの能力、2人が駆け回り、足をつけるシーンはワクワクしまくりやった。それに、バットマンもスーパーガールもいい。
でも、どう足掻いても、このユニバースの人類は破滅するというのが悲しかった。。

今作の本ヴィランはダーク・フラッシュ。
出てくるのは最後だけだったけど、若バリーがだんだん色んなものが刺さってるの観て、まさか…てなった。
でもさ、バリーにしたら自分のユニバースではないけど、若バリーにしたら自分のユニバースやもん、諦められへんよな〜。。
でも、クリプトン人への攻撃の仕方とか段々過激なのは気になった。なんか若バリー怖いよ?と。

でも、最後、思わずバリーを庇って自らが犠牲になったの、ダークサイドに落ちずにやっぱヒーローのままで終えたとも言える。

本ヴィランは「自分」というのは、なるほどなと唸る納得のストーリー。
でも、そうなるなら、もうちょいなんかあっても良かったかな?

何度も繰り返してもダメな描写、what ifのドクターストレンジの回を思い出した。
ユニバースには絶対点があって、そこを変えたらそのユニバースは崩壊するという。ネクサスイベントともいうんやっけ。
フラッシュの世界はお母さんの死なんだね。。なんか悲しすぎる。。


<カメオ出演の嵐とラスト>

●これまでのDC実写化作品へのリスペクト
別ユニバースということで色んなスーパーマンとかバットマンとか出てきた。私は観たことないけど、古い感じの映像が出てきて、おおーってなった。
スーパーマンとスーパーガールが一緒に出てきたの、ほんとはこうやって共演させたかったけど、現実は叶わなかったというのを観た。
ニコラス・ケイジ版スーパーマンもそうやけど、「実際に話にあったけど実現出来なかった」ものもちゃんと昇華させてて、DC好きな人の発想だなぁと。
その中に、ドラマ版フラッシュのジェイ・ギャリックが出てきて、ドラマ版からはバリー・アレンじゃないんや!てびっくりした。
なんでやろ。コミックを反映してるデザインだからかな。赤スーツじゃない古いタイプの。

ユニバース同士がぶつかるの、これがインカージョンかぁと。MCUがチラつきますw


●ラスト
最後の最後に、まさかのジョージ・クルーニー!
彼もバットマンをやったんだけど。
かっこいいし嬉しいサプライズ!と思いつつも、「これどうすんの?」とも思ったw

アクアマンは、なんか違うけど、一応アクアマンなんやね。。

これほんまどうすんねやろ?


<グッときたところ>
●やっぱ最後のトマト缶を戻すために戻り、お母さんと会うシーンは泣きそうになった。。
切ないよ、、切ない、、、。

●バットマンの言葉
「あの辛い過去があるから、今の自分がいる」という言葉を、ブルース・ウェインから聞けたのはグッときましたな。。
どんな辛い過去も、今の自分を作るもの。
過去に執着するのではなく、過去を受け入れて前に進むことの大事さをわかったバットマンよ!!
過去を無理に忘れることなんてしなくていいし、乗り越えることもそんな簡単じゃないけど、それに囚われて未来の人生を壊すのは良くないんじゃないかなっていう気持ちになりました。

●ヒーロー映画には珍しく
「諦めることも大事」というメッセージ。
ヒーローものって、絶対諦めない!ていうテーマが多いのに。
諦めることも大事で、受け入れて進むこと、と言うテーマ。
なるほどなー。


<モヤモヤするところ>
●マルチバースを扱う
マルチバースって、色んな夢が叶う無限の可能性あるし、なんでもありで便利だけど、どうしても、「このユニバースの人の身になったらどうよ?」てのが気になって仕方ない。
本軸のユニバース以外は、どうも優先度下がるというか、ともすれば雑に扱われるような、そんな気になってしまうんよね。
マイケル・シャノンが指摘してたのこういうのもあるのかな。

ベンアフバットマンもそう。
あれどうなるの?いなくなったてこと?
もし自分がその立場なら、今まで普通に生きてたのに、スッと意識も存在も消えてしまうてこと?
ドラマLOKIの変異体もだけど、確かに消されるて、殺されると同意義やん。。

DCのマルチバースは枝葉も存在するマルチバースではなく、一つのユニバースはそれしかないのかなって思ったけど、そうなると消えちゃうの??
(Aユニバース、Bユニバースと別ユニバースはある。Aのある地点で違う行動することで、Aの過去と未来が変わる。だが、派生することはない。)

それか、MCUみたいに枝葉のように別のユニバースが生まれ、あの時間軸はそのまま続いて、バリーだけ行方不明になるってことなのだろうか?それなら、今、DCEUバリーがいる時間軸のバリーはどこ行った?
(Aユニバース、Bユニバースはある。Aのある地点で違う行動をすることでAの他にA'やA"が出来ていき、枝葉ユニバースも含め無数に増えていく。)

過去改変は、1人の行動で全ての人生を弄ぶ感じになるってことなのかね?



●学んだ側から過去変えてるやん
フラッシュよ、過去を変える影響の大きさを思い知ったとこやのに…。

母の死は避けられないとしても、どうしても父は救いたい。
…わかる!
あのカメラに映れば証拠になる。
ほんまに無罪やねんから。
…わかるよ!めっちゃわかる!正すべきなのはわかる!
でもさ、それで親友だったベンアフバットマンいなくなる代償てどうなんよ、て。
バリーたちの知らないところで、生きてた人が死んでたり、てこともあり得るんやろ?

それなら、犯人を突き止め、現在に戻って証明するとかの方が良かったような、、、。


●自分が蒔いた種
…といえばそうなんだけど笑。
それをどう治めるか、その代償、それを経たことによる成長ことで。
スパイダーマンNWHもこんな感じか。
まあ、最初からしなけりゃいいじゃんみたいなツッコミをしてしまうw

●どうすんのこれ?
最後のどうすんねやろね。
次のバットマンは息子ロビンを育てる系のようで。
それならベンアフよりジョージ・クルーニーの方が年齢的に合う?
でも、ジョージ・クルーニーやるの??

あと、端々に、次のDCユニバースに向けて修正させられた感じのあるのもモヤモヤね。


…とまあ、色々モヤモヤは浮かんでくるけど、総合的には、めっちゃ満足した映画でした!
続編作ってほしいな。
ゆかちん

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