わか

ベイビー・ブローカーのわかのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
3.9
本当の家族じゃないのに、ふつうの家族以上に家族している。
是枝監督作品を観ると毎回、血の繋がりがあるとか無いとかは関係ないんだなと思い知らされる。

子どもを捨てた母親、子どもを売りたい男たち、人身売買の現場を押さえたい警察。それぞれの思惑があって始まったはずの物語も、いつの間にか全然違う方向に動いてしまっている。

それは子どもを売るということを巡る旅の中でそれぞれが図らずも自分自身と向き合い、それそれが正しいと思った行動を取ったからだと思った。

子どもを捨てることも売ることも決して正しいことではないのだけど、そんなことをしている人間たちが良心に従って生きてみようとする、そんな作品だった。
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