KnightsofOdessa

ベイビー・ブローカーのKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
1.5
[男たちが身を呈して守る母性神話] 30点

2022年カンヌ映画祭コンペ部門選出作品。大雨が河のように流れる坂道の上に教会がある。ガッツリ『パラサイト』を意識しているわけだが、勝負できてるのはこの冒頭数分だけと言っても過言ではない。その後は家族はいたけど上手く行かなかったソン・ガンホ、母親に捨てられて施設で育ったカン・ドンウォン、赤ちゃんを捨てる女をなぜか毛嫌いする刑事ペ・ドゥナ、望まれない子供を生んだIU、といった感じに"家族"云々という是枝的テーマが乱立するが、最終的にIUに"生まれてくれてありがとう"と言わせるという一番気持ち悪い収束に持ち込む。うへぇ…って声に出てしまった。男たちに母性神話を身を呈して守られてもなあ。いいとこあるよ!と言ってカン・ドンウォンがいた施設に行ったとことか、刑事二人組の心情吐露とか含めて、全編がひたすら鈍重で、何回も時計を見てしまった。印象的なショットもほぼなく、台詞も堂々巡りなのに、重大な決断は省略するという味の薄さに、観た後すぐに書いているにも関わらずほとんど内容を思い出せない。
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