いい映画だった。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
家庭環境に恵まれずに、誰にもこんな言葉を向けられたことがない彼らだけでなく、こんな言葉を言ってくれる存在がもういない多くの大人達、そしてもちろんすべての子供たちも含めて、誰もがこの言葉を向けられるべき存在なんだってことを思い出させてもらった。
この映画で露呈された問題はまだまだ解決しそうもないし先は長いけれど、誰もが祝福されるべき存在だってことを忘れずにいたら、もう少し優しい世界になる気がする。
それと、IUちゃんが大雨の中、電灯に照らされた階段を登るオープニングシーン。
ポン・ジュノ監督の「パラサイト」の重要シーンを彷彿とさせるかのようで、お友達でもある是枝監督なりのオマージュなのかと思った。
韓国映画好きとしてはこれ以上ないほどの豪華なキャスティングで、決して幸せなストーリーではないのに中盤のロードムービー化したパートでは多幸感でいっぱいになった。
もっともっと彼らを観ていたかったな。
また一つ、韓国映画の傑作が生まれて嬉しい。