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ベイビー・ブローカーのkirokuyouのネタバレレビュー・内容・結末

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

これまで観てきた是枝作品の中では1番好き。

もっと悪いブローカーを想像してたのに、基本赤ちゃんに優しい。最初のケチな買い手にソヨンがくってかかったシーンで、罵詈雑言が聞こえないようにそっと赤ちゃんの耳に手を添えるサンヒョンの行動におじさん萌え。ドンスも子供に優しいし、ソヨンも本心では手放したくないのが割と初期の段階から伝わってきて、だからか物語が進むにつれ徐々に辛くなってくる。施設の男の子も加わった旅、もう偽でも何でもいいから、クリーニング屋の店主と従業員家族、で暮らしていければいいのにって。この辺りは万引き家族をつい思い出した。

確かに殺人を犯した罪は償わないといけないし、人身売買もいけないこと。けど殺された男も悪い奴っぽかったからあまり被害者に同情できないし、ソヨンの生い立ちを考えるとどうしても肩を持ってしまう。人身売買だって、施設で育つよりは幸せになる場合もあるかもなぁとも思うしさ。
法は破ってる彼らだけど、ただの悪の一言で片付けていいのか、根本的にもっと改善しなければいけない社会の問題・意識・制度があるんじゃないか?と考えてしまうし、舞台は韓国だけど日本も同じよね。

余計というか半端な印象を受けたのが、ソヨンを追う奥さんとその手下。もう少し出番あった方がしっくりくるし、最終的に警察の手を借りるなら、別に手下殺さなくても良かったんじゃ??と思ったんだけど…
追う側は警察だけで良かったんじゃないかと感じる。

それにしても、ドンス演じるカンドンウォン、昔と全く変わらずカッコよくてびっくり。韓流に興味のない友人なんて、あのカッコ良かった人、売り出し中の若手かな?とか言い出すくらい。いやヨン様とかの時に売り出し中の若手だったから、もう30代半ばにはなってると思うよ〜なんて話してたけど、気になってググったら41歳だった。ビビる。時止まってる。
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