ブルーノ

ベイビー・ブローカーのブルーノのネタバレレビュー・内容・結末

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

※鑑賞後、しばらく時間が経っているため正確でない場合があります。

はじめは物語の見方(向き合い方)が分からず、どの登場人物にも共感できない状況に少し戸惑った。しかし、盈徳の養護施設に到着したあたりから、施設の子供たちの冷静な眼差しを通して、彼らの世界の見方やトーンが分かり、とたんに面白くなった。

特に私にとってヘジンの存在は大きく、ヘジンの登場以降(盈徳の養護施設のタイミングと重なる)は彼に移入をして本作品を観た。洗車のシーンでは、楽しくて思いがけず飛び跳ねてしまった。

また、本作の感動的なシーンの一つでもある、ソヨンが自分を含む各々に「生まれてきてくれてありがとう」と言う場面。家族からの愛は十分に受けていると感じている自分であったが、「もしかして私はこの言葉を欲していたのか?」と思うほど号泣してしまった。この流れを作ったヘジンについても、さりげなくソヨンにお願いしたあとに、みんなの反応を伺って「やっぱりいいや」と言う様子が、本当によく子供を描けているなと感心した。

最後に、前述のシーンやKTXでのソヨンとサンヒョンの会話のシーンが、どちらも暗闇で行われていた点(前者は室内の電気を消し、後者はトンネルの通過時)から、キリスト教における告解を想像したりもした。
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