“こんな時間はいつか終わる
始めた日からわかってたから”
(ハンバート ハンバート『恋の顛末』)
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「あそこに連れてって」
「どこ?」
「洗車」
そう。
あのとき、僕たちは本当の家族みたいだったから。
そんなワンシーンがささやかな望みだったから。
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『そして父になる』『万引き家族』など、是枝監督が提示する「家族」のかたちはいつも面白い。
“血のつながり”がないと“偽物”なのか。
そんなことはない。
じゃあ家族の条件とは。
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産んで捨てるより、
産む前に殺す方が罪は軽いの?
望まれずに生まれる方が不幸なの?
「許す必要なんてない
ひどい母親に変わりないもの」
「だから 代わりに君を許すよ」
車内で揺れる写真。
私たちは家族だった。
公開:2022年(韓)
監督:是枝裕和
出演:ソン・ガンホ、カン・ドンウォン、イ・ジウン(IU)、ペ・ドゥナ