翼

ベイビー・ブローカーの翼のレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
4.4
「生まれてくれてありがとう。」
この言葉の持つ意味を考える。
最大の肯定。行動にも思想にも関係しない、ただその存在を認める言葉。至上の愛。
どんな形であれこの言葉を向けられることの喜びと人生の充足感。それを共有した彼らは家族なのだと思う。

そもそもが違法。犯罪者。児童売買の過程で交差しただけ、行きずりではまるはずの無い形をした4人が、喪失感を補うように家族の形に成っていく様が、奇妙ながら実にしっくりとしていて、不安定なこの家族の幸福を願って止まない気持ちにさせられる。良作。
翼