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ベイビー・ブローカーのioのレビュー・感想・評価

ベイビー・ブローカー(2022年製作の映画)
4.5
ベイビーボックスに捨てられた赤ちゃんを、人身売買で高く売る…。赤ちゃんを捨てた母親、捨てられた赤ちゃん、赤ちゃんを売ろうとする人、買おうとする人、犯罪を追う人…。それぞれがゆるく優しく交錯するお話。

「万引き家族」のような疑似家族をメインテーマとしながらも、時々「パラサイト」を彷彿とさせられました。

“赤ちゃんを捨てるのもひどいし、売るのもひどい。彼らを取り締まる警察側は正しい。” 世間一般からみたら当たり前にそういう価値観の話題だけれど、この映画ではそのような描かれ方はしていなくて。彼らの背景にあるもの、揺らぎあるグレーな感情にフォーカスした優しい雰囲気の映画でした。

人間ってしょうもない。
矛盾する感情そのままを抱えて、葛藤しながらも、人に優しく朗らかにありたいものです。

「生まれてきてくれてありがとう」
ありふれたこの言葉の重みを感じる映画でした。
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