まぬままおま

ローラとの夜のまぬままおまのネタバレレビュー・内容・結末

ローラとの夜(2015年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

ブリリア短編。

身体に違和を感じるアリスが、MtFのローラと出会う一夜の物語。

「自分らしく」あればいいという、薄っぺらい思想のもと、結局ロマンティック・ラブに回収されるような物語でうんざりする。

単純にローラがアリスにキスするのが意味が分からないし、問題だ。性自認とセクシュアリティを混同させていませんか?アリスが女性の身体に違和を感じても、レズビアンであるわけではないですよ。しかもローラはどう考えても、30代から40代の「おじさん」だ。そんなローラが10代のアリスにキスするのは明らかに性加害でしょ。それを「自分らしく」あればいいで、赦していいのですか。そもそもアリスがローラを自室に入れたのは、ローラの自分勝手な都合だし、警察を呼ぶという物語の可能性があるはずなのに。

社会的な関心が高まっているから、ジェンダー・セクシュアリティの観点をもてば杜撰な物語でも赦されてしまう昨今。ただその赦しが新たな性加害を生んでいるし、性差別を生み出す構造を変えていないことに自覚的であるべきだ。それが映画をつくる人の「引き受け」だ。