如月カルラ

ラリー スマホの中に棲むモノ/カムプレイの如月カルラのレビュー・感想・評価

3.0
自閉症で言葉を話す事の出来ない主人公のオリヴァーは、スマホを使用して周りの人とコミュニケーションを取っている。
学校の同級生に馬鹿にされたり意地悪をされたりもして孤独に過ごしていたが、ある日スマホで「ラリー」という怪物の物語を見つける。
それ以降不可解な出来事が、主人公や家族、友人を襲うっていう話。

ホラー物としてはそこまで怖くもなく、でも姿の見えない怪物を見せる表現方法ってこんなにもあるんだ、と思わされた作品。
スマホの顔認証、風で飛ばされた紙、物体との距離を測る電子メジャーの数値など、多岐に渡っていて感心しきり。

母親は主人公を愛するあまり普通の子になってほしいと強く望み、主人公と少しすれ違ってしまう。
父親はありのままの主人公を愛し尊重し、主人公には懐かれている。
そんなすれ違いもありつつ、でも母親の愛情は本物だったし、強い女性だった……。
ラスト、お互いにしっかり目を見つめ合っているシーン、楽しそうな笑い声、ハッピーエンドではないけれど救いがないとも言い難い感じ。
子供はやっぱり笑って楽しそうにしているのが1番いい。
如月カルラ

如月カルラ