NIMIC/ニミックのadeamのレビュー・感想・評価

マット・ディロンが主演したギリシャの奇才ヨルゴス・ランティモスの短編。
チェロ奏者で家では夫であり父として暮らす男が、地下鉄の中で時間を尋ねた女性に生活を乗っ取られる物語です。
ルーマニア語で無を意味するタイトルは英語で擬態を意味するmimicとの掛詞で、正に模倣される気味の悪さを恐怖と笑いの絶妙なラインで描いています。
循環構造を思わせる結末は奪われる側の不自然な無力さに対し、これがこの世界のルールなのだと示しているようで面白かったです。