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ヒトラーに盗られたうさぎのmaigoのネタバレレビュー・内容・結末

ヒトラーに盗られたうさぎ(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

あ、あ、実話…なのかな…?

タイトルのうさぎ(のぬいぐるみ)に惹かれ、怖い描写やほのめかしのない怖くない戦争映画だと知り、公開時から観たかった。本当にそういうのが苦手なのでまだ警戒していたから映画館には行かず、でも本当に怖くなくて安心した。心はちりちりしたけど。

わがままな子供は嫌いだけど至極ご尤もな要求で駄々をこねる子供は苦しい。私は賢い子供は好きなので、言葉の習得が早すぎて子供ってすごいな私には無理だって思って誇らしくなった。

亡命を続けるうちにじりりじりりと貧しくなっていく元裕福な家庭。その名残で仕事をえり好みしてしまう父親。というか父親が原因で亡命することになってるんだけど(たぶん)。でも彼が聡明だから逃げ切れたわけで、私は賢い大人も好きなので。
職を失わざるを得なくなったのは、もちろん思想を貫いたのと情勢のあれが悪かったからなんだけど、それに加えて毒舌批評家の毒舌が強火すぎたからって可能性も考えちゃう。
なんだかんだわりと贅沢してしまう両親、うーむ。QOL下がると精神からきて体調不良にも繋がるから正しい行いではあるんだけど(最悪になる前に光が差してよかった)。そういうこと考えるとおじさんが動物園出禁になって…っていうのはそれ過ぎるのよね。親切な名付け親のおじさん、かなしい。
ただおじさんの死の原因が(間接的にはそうかもしれないけど)戦争によるものではなくて本当によかった。ひとりの末路のことをよかったって言うのはよくないんだけど私にトラウマを与えないでくれる作品でよかったの意。

時間経過ののちの最後、どっかん!って夢オチかのようにいっぺんに吉報が降ってきて生活が向上してるのが最後でよかった。そこからの下降とかがある展開じゃなくてよかった。

ハインピーの人生が満ち足りたものになってるといいな。
愛おしい家族の、比較的平和な物語。
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