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ヒトラーに盗られたうさぎのqqfowlのレビュー・感想・評価

ヒトラーに盗られたうさぎ(2019年製作の映画)
4.0
原作は、絵本作家ジュディス・カーの自伝「ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ」。未読。1933年にヒトラーが政権を取ってすぐ、ドイツ国外へ亡命したユダヤ人一家の話。主人公アンナと兄、父は批評家、母は音楽家。ベルリンでは裕福な生活をしていたが、亡命先ではなかなか仕事が見つからず、ケーキ1つ、電球1つ買うのも躊躇する生活になる。

といっても、例えば「シンドラーのリスト」のような極限状態と比べると、彼らの生活や考え方は、まだ平和な、健全な日常の延長線上にある。それでも、ドイツでナチスが政権を取ったことで、国外でも、ユダヤ人に対する偏見を隠さない者も出てきて、確実に住みづらくなっていく。そんな真綿で首を絞められるようなつらさがよく分かった。また、これまで映画でよく見てきた、ユダヤ人が強制収容所で云々という状況がどれほど異常かということも痛感した。
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