真鍋新一

HAKEN 覇拳の真鍋新一のレビュー・感想・評価

HAKEN 覇拳(1991年製作の映画)
2.7
千葉真一が香港の人脈をフル活用して撮りあげたVシネ。千葉ちゃんは基本監督に徹しているのだが影のボス的な役柄で登場し、わずかな出演場面ですべてさらってしまう。さすがスター。

主人公の塩谷庄吾はさすがJACのルーキーだけあって、そのファイティングスタイルは完全に千葉ちゃん。この状況で千葉ちゃんならこうするだろうという動きばかりをする。

しかしまぁ、おそらく安っぽいオールシンセの音楽のせいだと思うのだがドラマパートがとにかく陳腐で深みがないのが残念。アクションは当たり前のようにすごく、残酷描写もかつての東映のレベルを受け継いだハードなものになっているのにこれではあまりにも…。

現代風の香港アクションかと思いきや、途中から舞台を日本に移して往年の空手スポ根アクションになってしまう構成のバランスの悪さも含め、日本の映画が忘れてしまったケレン味が90年代まで千葉ちゃんのワンマン映画という形で残っていたことはよくわかった。

もしこの路線がその後も続いていれば、ドニー・イェンあたりと繋がってもっともっと面白い映画観られたのにな…などと妄想するも、それは悲しい、見果てぬ夢なのであった。合掌🙏
真鍋新一

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