囁きのwhisper

白爪草の囁きのwhisperのネタバレレビュー・内容・結末

白爪草(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

電脳少女シロはかろうじて知ってて、その他のキャラは見たこともない程度のVTuber知識レベルで鑑賞。

完全ファン向けの内輪映画かと思いきや、ソリッドシチュエーションの会話劇として展開に捻りが効いててなかなか面白かった。

まず、VTuberで映画をやるというコンセプトと、双子の姉が妹の人生を乗っ取るという題材がマッチしている。
全く同じ見た目だからこそ、入れ替わっても気付かれないことに説得力を持たせられるし、ただ“VTuber出演”という話題性だけではない意義を持たせられていると思う。

脚本も、花屋の店内という1シチュエーションでありながら、主導権が入れ替わり続ける展開に引き込まれる。
特にラストの日記は、傑作「去年の冬、きみと別れ」を思い出すような、“実はこうだった、そしてもう取り返しがつかない”という結末が見事。

ただ、これはVTuberそのものの課題なのかもしれないけど、普通のアニメと比べるとどうしても表情とか動作の表現が乏しいような気がしちゃったかな。
もっともっと絶望的な表情を見せてほしいところで、ほんのちょっと不機嫌顔程度の表情になっちゃってるとことか多くて、そこの表現が進化すればさらに幅が広がると思う。

珍しい映画観たって話のネタになればいいな程度に思ってましたが、予想以上に楽しめました。
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