ワンコ

劇場版 岩合光昭の世界ネコ歩き あるがままに、水と大地のネコ家族のワンコのレビュー・感想・評価

4.0
【ハニオ】

僕は、ワンコを数十年にわたって飼っていたこともあって、犬派なんだと思う。
でも、結構、ネコも好きだ。

幼い頃、祖母の家のネコとよく遊んだし、田舎の叔父、叔母や、友人の家のネコは僕によくなついている。

小学生の時に、「吾輩は猫ではない」というタイトルの作文を書いて、先生に褒められたこともある。
幼い頃、祖母の家のネコが、あまりに僕になついて、しつこいのが鬱陶しくなって、ある日、縁側からネコを外に投げたら、きれいに着地したのを目撃して、ネコは高いところから落ちても、上手く着地出来るという事実を、僕は昔から知っていたというような内容だったと思う。

この映画は、北海道の二つの牛舎で暮らすネコの家族と、ミャンマーの湖の水上の家で暮らすネコの家族を、それぞれの季節ごとに見つめた作品で、ネコが愛らしいのもそうだが、成長や、いろいろな出来事も交えて、ちょっとドラマチックだ。

それに、北海道の牛舎で生きるネコたちの中で、甘えん坊のカーショは独り立ちせずに家族の元にとどまるのに対して、デイジーとサボ(だっけか?)が旅立つ姿は、なんか切なく、二匹で協力し合うような場面には、頑張って生きるんだぞ!と声をかけたくなる。

ところで、タイトルのハニオは、俳優の石田ゆり子さんの飼っているネコの名前で、彼女のペット用のインスタグラムに最もよく登場する。
他には、ゴールデンレトリバーの雪、ネコでは、ハニオと兄弟のタビ、後から来た、はっちと、みっつ、さらに新入りのばぶびーがいて、ビスク先生という老猫と、引き取って介護していた生後間ない子猫は亡くしている。
石田ゆり子さんは、自分をゆユリゴロウと呼び、ムツゴロウさんに例えることもしばしばだ。

ところで、ハニオと、ばぶびーは、ニックネームかもしれない。
それに、僕は、はっちと、みっつの区別が未だにつかない。

このハニオは、インスタグラムを見ている限り、相当人見知りで、誰かが石田ゆり子さん宅を訪ねて来ると(たぶん)布団の中に隠れてしまうらしく、ハニオが籠ってこんもりした布団の膨らみを、石田ゆり子さんは、はちみつ山と称してよく笑っている。
ハニオは、結構キリッとした美男子で、石田ゆり子さん曰く、ライオンみたいだねという話をよくする。
完全な親バカだと思うが、そんなカッコいい見かけでも、ハニオは人見知りで、石田ゆり子さんにしかなついていないのだ。
そして、石田ゆり子さんは、それが可愛くてしょうがないのだ。

ネコも性格は様々だ。
僕は、なつくか、つんけんしてるか、どっちかと思っていたが、人見知りもいるのだ。
それに、北海道のカーショは、マザコンだ。

この映画ではネコ親子の愛情が取り上げられるが、ハニオの兄弟のタビは、血縁のないみっつや、ばぶびーの面倒を本当によく見ている。

必ずしも、血のつながりは関係ないようだ。

そして、ゴールデンレトリバーの雪も、本当によくネコたちと遊ぼうとするようだ。

北海道のネコたちが牛と共存している(?)ように、ワンコとだって相当仲良く出来るのだ。

そんなことを考えると、人間は知恵を身につけてしまったがために、逆に、とことんまで争うのを止められなくなっているのかなと思ったりもする。

まあ、でも、ペットに心を癒やされるのは、多くの人は一緒だろうから、みんな、きちんと「責任を持って」、猫でも犬でも飼ってみて、もう少し他者に優しくなれるようにトレーニングするのも良いかもしれない。

この作品を見ている限り、ネコの世界は人間の世界より平和で安定している気がする。
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