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カムバック・トゥ・ハリウッド!!のmaverickのレビュー・感想・評価

3.7
2020年のアメリカ映画。ロバート・デ・ニーロ、トミー・リー・ジョーンズ、モーガン・フリーマンの大御所三名によるコメディ作品。


この三名が共演するということは大きな魅力であるが、それを売りにしただけの駄作ではないのは救いである。内容的には可もなく不可もなくの平凡なコメディ。だがそこに、名優の熟練した演技がエッセンスとして加わっているから楽しめる。イカれたプロデューサー役のロバート・デ・ニーロ。イカれたギャング役のモーガン・フリーマン、イカれた俳優役のトミー・リー・ジョーンズ。三者三様のイカれた演技に貫禄を感じさせる。個人的にはデニーロの役柄が大好き。人が死んでるのに喜々として街中ではしゃぐ姿や、テレビに向かって怒りでまくし立てるキレっぷりには、往年のサイコな役柄が重なって何だか嬉しかった。老いてもなお、ハリウッドの重鎮だと。それを全員に感じた。

映画作りの話であり、ちょこちょこと実際の業界ネタが差し込まれていて楽しめる。業界の闇などをブラックジョークで笑わせるのもザ・ハリウッドって感じ。それをハリウッドの大御所俳優が喜々として演じるのだから笑ってしまう。だが奇抜な内容で笑えるのも中盤まで。後半はそれが続かず失速し、作品全体としては平凡な印象。三名の役柄は良かっただけに、脚本が良ければと残念な気持ちではある。この三名ならもっと良い作品いくらでも作れるはずだからね。


この手の作品の中では楽しめたので良し。少しばかりキレたデニーロが見れただけでも嬉しい。こういう作品で息抜きをしても全然良いけど、この三名には現役である限りアカデミー賞に絡んでもらいたいものだ。
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