ゆず

ザ・スイッチのゆずのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「もしかして」「私たち」
「「入れ替わってる〜!?」」
♪全然前世関係ない〜

母親とミリーが赤の他人として話すシーン、ホラー映画なのに家族の絆の再生を入れてくるところがまるで「ハッピー・デス・デイ」みたいだな…と思ったら監督が同じ人だった。…ということは、本作で集めた資金でハピデス3を撮るってことですねっ!楽しみです!(願望)

体が入れ替わってしまう作品も、殺人鬼と対決する話もよくある使い古された題材だけど、本作は2020年代最新の価値観が反映されてたりもして、その辺が新鮮だった。
例えば、ゲイの友人の母親は、息子が女性に興味あるなんてありえないと言い切る。これ自体がギャグになっているのだが、同性愛が昔ほど受け入れ難いものではなくなっているからこんなセリフが飛び出すのだと思う。
あとは、オッサンの体になってしまった主人公ミリーと、憧れの男子は躊躇なくキスをする。このシーンはギャグとして描写されてないように思えた。つまり「大切なのはその人間の中身であって外見ではない」というメッセージをこれ以上ない形で発信してると思う。(一方で、外見がイケてれば中身が殺人鬼のオッサンでもモテることも示してるが…)

ミリーは嫌がらせを受けているけれど、最高の親友を持ってもいて、チームで殺人鬼に挑んでいく姿も面白い。嫌がらせしてくるスクールカーストの上位のヤツらは根こそぎ刈り取られてピラミッドの先端が削られ平らになる。
一番良かったのは、一度決着した後に延長戦があったこと。最後のパートで、序盤で感じたような恐怖を再び味わえるなんて素晴らしいと思う。

一つだけ気にかかった点を挙げると、ブッチャーのバックボーンがほぼ描かれなかったのが勿体ない気がする。精神病棟にいたとか断片的な情報が一瞬だけ映されるだけで、冒頭の怪談で出てきた都市伝説のブッチャーと同一人物なのかという疑問は残った。
まあそんなこと気にする方が野暮かもしれない。
あと、エンドクレジットの血みどろ感が強烈で、しかもそれなりに長いので理性が麻痺しそうになる(笑)

ちなみにFreakyという原題だけど、Freaky Fridayという映画があって、そのパロディでもあるようだ。ネタ元は娘と母親が入れ替わってしまう内容らしく、同じタイトルで3本も作られてる。
ゆず

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