TaiRa

ザ・スイッチのTaiRaのレビュー・感想・評価

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)
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ループものの次は入れ替わりものっていう短絡さが良いと思う。

元々のタイトルが『Freaky Friday the 13th』だったらしく、要は入れ替わりものの『フリーキー・フライデー』と『13日の金曜日』を掛け合わせたダジャレ企画が大元。そういう軽さが良かったし、それを成立させる為のキャスティングが出来たのも大きかった。ヴィンス・ヴォーンは生前にジョン・ヒューズと仲良かったり、リメイク版『サイコ』でノーマン・ベイツを演ってる人なので色んな意味で適任。もちろんコメディが本職みたいな人だし。冴えない美少女が意外と似合うキャスリン・ニュートンも良かったし、この二人呼んで来た段階で8割方成功。あとはヴォーンの女子高生っぷり観てれば充分。何気に性差の問題とかもすくい取ってて真面目な部分もある。女子が屈強な男性の身体を手に入れて感じる万能感なんかは示唆的。逆に殺人鬼の方は女子の非力さを実感して、殺人をいつも以上に頑張ったりする。ここで良かったのは、殺しても文句出ないくらい最低の連中を序盤で予め振ってるとこ。イジメっ子やパワハラ教師、レイピスト男子をグチャグチャに殺し回る女子高生殺人鬼の姿に一定のカタルシスがある。そういう性差の問題を共有した上であのラストを見せるのが粋だなと思った。
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