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ザ・スイッチのyumaのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・スイッチ(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ブッチャーは結局何がしたくて殺人を行ったのかが一つも描かれてなくてびっくりしました。なんの儀式を成功させたかったのかとかなんで失敗したのかも全部闇の中。ただあからさまに”あえて描いてませんよ”感があって、どういう意図なのかすごく気になります。ただの狂人だったのか、本当に伝説が存在していたのか。

設定とか構図がすごく面白かったです。例えば、視覚的には殺人鬼が女子高生を追っているっていうシーンでも、実際は女子高生が殺人鬼を追っているっていう不思議な感覚でした。あえて言うなら、メジャーなホラー映画をリスペクトしつつ、新しいものを作りあげているなって感じたし、この構図が思いつくっていうのはやっぱり監督の腕が良いからなんだろなとも思いました。

もう一つ気になった構図があって、パーティのときは、元の体に戻りたいミリーvsこのまま逃げ切りたい殺人犯なのに対して、ラストシーンは、殺人犯という悪vsその悪を倒そうとするミリーになっています。ラストシーンでミリーがやっと殺人犯の本当の悪と向き合うっていう、出てくる2人は同じだけど、全く意味合いが違っていて面白いなと思いました。
観てる途中はラストシーンは蛇足かなって思ってたんですけど、上の構図の違いがあったからこそ、すごく意味があるものだと思いました。

選曲も良いし、色鮮やかで綺麗中シーンが多いし、コメディ要素も良かったし、楽しかったです!!

ボーイスカウトもタイムループもマルチバースも入れ替わりもホラーと融合させて、笑えて、爽快感もあって、コンパクトにまとめてしまうランドン監督はほんとすごいと思います!!

ヴィンスヴォーンとキャスリンニュートンの演技が凄かったです!二人とも本当に入れ替わったみたいに目つきは変わるし、ふとした仕草も一気に変わるし、おぉー!!ってなりました!

観た後すぐは、クリストファーランドン監督の映画や!って期待しすぎてた部分があって満足感が低かったんですけど、色々考えてくうちに満足感がどんどん上がっていきました。もっかい観たらもっと色んなことに気づけて、また違う感想が書けそうだなってめっちゃ思います。

あっあと、時計の針は5分早めさせてもらいました。
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