みりお

最後の一線のみりおのレビュー・感想・評価

最後の一線(2019年製作の映画)
4.5
※レビュー溜め込みすぎたため連投💦
コメント返すの絶対死ぬほど遅くなると思われますので、どうかスルーをお願いします🙇‍♀️🙇‍♂️🙇




BSSTO とSSFF & ASIA 2023との連動企画である、LGBTQショート特集の1本。

これすんんんんんんごい好き!!
LGBTQ特集に組み込まれているのはちょっと勿体無いなと思うくらい、もっと根本的な人間の孤独が描かれている。

フランスのとあるアパルトマンの屋上。
まるで世間から見放されたかのような孤立した場所にふとしたことで取り残された、アジア系の男とアラブ系の男。
2人とも、"何者かになりたい"という想いを抱えつつも、仕事もうまくいかず、前を向くのがしんどいと感じている。
でも見た目や言動はまるで正反対。
自分が生きることに必死で、敵意を露わにする2人…

マイノリティ同士の2人は、互いにマイノリティというしんどさを抱えているのに、互いをアラブ野郎やら、オネエ野郎やら、アジア野郎やら罵り合う。
マイノリティのしんどさを誰よりも知っている2人ですら、マイノリティ同士支え合うのではなく、知らないうちに互いの間に線引きをしてしまう。
けれどそんな2人が、閉鎖された空間に取り残されたからこそ、理解し合う瞬間の描写が素晴らしい。
人種や性的嗜好は、その人のパーソナルな一片に過ぎず、会話をして互いを知り合うことで、その線引きは最も簡単に越えられること。
友情はどこにでも成立することを教えてくれる、素晴らしい作品だった。

アジア系の彼が夕陽の中で踊るシーンは本当に綺麗!
これだけでももう一回観たい🤤
みりお

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