須見

フィンの須見のレビュー・感想・評価

フィン(2020年製作の映画)
4.0
小池茅監督の映画「フィン」を観た。
「ポエジー」とはなにか?僕は賢くないから概念や定義といったものまでは分からないが、劇中におけるそれは、一瞬の輝きみたいなもので、多分それは写真にも残らないし、映像にも残らないものである。友人が誕生日ケーキを撮るシーンがあるのだが、恐らく写真を見返したとしても、その一瞬の輝きはそこにはないだろう、僕は旅中にとても綺麗な夕日が照らす田園を見て涙をしたことがあったのだが、その際に友達が写真を撮ろうと言ったのだ。
だけど多分、写真で残してもあの頃のエモーショナルは感じないはずだ。移り行く季節の中時間は進み続ける、それらは奇跡のようなものの連続である。しかし、僕らはそれを当たり前のように思い日常を惰性的に繰り返し消費している、この映画は、少し非日常的な1日を送る映画だ、だが僕たちの日常の中にもきっと奇跡的な非日常が起こっているはず。「僕は今、この映画についての文章を書いている、そして今この瞬間にもポエジーは起きているはずだ。」

ちなみに、自分も出ているので観ていて少し恥ずかしかった。
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