たむ

ホビット 思いがけない冒険 エクステンデッド・エディションのたむのレビュー・感想・評価

3.5
Amazonオリジナルドラマの『力の指輪』も好調なトールキン原作のファンタジーサーガ。
『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚でもある『ホビット』を三部作、その後エクステンデッド・エディションでリリース。
もともと2部作で脚本にも入っているギレルモ・デル・トロ監督作品でスタートしましたが、紆余曲折あり、前作と同じピーター・ジャクソン監督作品として公開されました。
公開当時はハイフレームレートなどの新しい上映方式も話題でした。

公開以来、エクステンデッド版は初めての鑑賞ですが、このシリーズの三部作の第一作目は、キャラクターや世界観の説明にあてている印象があります。
それは三部作として考えると非常に重要で、特にファンタジーの場合、現代とは違う世界の仕組みで動いており、人間以外の生き物もたくさん出てきます。
これはトールキンの原作がその説明で小説を始める、途中で挫折しそうになるほどのディテールのこだわりとも一致します。
このシリーズとハリー・ポッター以外がファンタジー映画として成功が少ないのは、一作目に世界観の作り込みに時間と製作費をかけていない事にあると思っています。
テレビシリーズはそれが出来ているので『ゲーム・オブ・スローンズ』は進むほど面白くなります。

話を戻しまして、ただただ説明しかない映画が面白くなるかと言えば、ならないでしょう。
本作にもスペクタクルがあり、葛藤があります。
ビルボは旅の仲間に認めてもらえるのか?
トーリンは王として仲間を導けるのか?
そしてゴラムの存在。
ビルボとゴラムの戦いとドワーフ達の脱出劇がクロスカッティングで描かれるスペクタクルは流石の大迫力。
クライマックスを構成しつつ、まずは世界観を構築していく第一作目。
よりスペクタクルを増していくシリーズですね。
たむ

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