sonozy

The Pleasure of Being Robbed(原題)のsonozyのレビュー・感想・評価

3.5
NYで暮らすクレプトマニア(窃盗症)の女性エレノアの日常を淡々ととらえた、いかにも低予算系な作品。
エレノア役の女性は共同脚本も担当してます。

道の向こう側を歩く女性に当てずっぽうの名前を呼び続け最後に正解。笑
すると「久しぶり〜」的にハグして相手が「あなた誰だっけ?」と動揺しているうちに彼女が持っていたバッグを盗んじゃうという導入。

ホテルの前で車から荷物を降ろしてる親子から盗んだ重そうなバッグを部屋で開けると中からは犬一匹と子猫5匹が。犬は逃し、子猫たちと寝てみたり。

どうやら仕事もしてなさそうなエレノアは、店先のブドウのつまみ食いやらもしつつ、中国系の人たちが本気モードでやってる卓球場で対戦し、そんな下手なのに何故ここにいる?と言われても「楽しいからよ」と返す。

一人でバーに行ったエレノアは羽振りの良さそうな二人組の男のバッグを盗み、その中にあった車のキーに合う車を路上で探していると、男友達のジョシュが登場。
彼に手伝ってもらい車を発見すると、車の運転をしたことがないエレノアをジョシュが指導しながら、なんとボストンの彼の自宅まで送ることに。。

置いてあるバッグを見ると、中が見たい!知りたい!衝動が抑えられない感じで、軽やかに罪の意識もなくやっちゃってるエレノア。

ある日、親子が遊んでいる公園で、人目も気にせず置いてあったバッグの中をあさり、持ち主の母親が気付いて叫んでもまだ止めず、駆けつけた警官に逮捕されてしまう・・・

ジャズ・ピアニストのセロニアス・モンクがパトロンだった財閥の女性パノニカに捧げた曲「Pannonica」がテーマ曲のように中盤とラストで使われていて、NYらしさを演出してます。

元々はケイト・スペードのバッグのプロモーションのためのショートムービーのプロジェクトだったものから、発展した作品らしい。(製作費はケイト・スペードの夫アンディ・スペードがサポート)

女性にはHello Beautiful!、男性にはHello Handsome!と声をかけて歩くおじさんに微笑むエレノア。
卓球で相手してくれた男との面白いやり取り。
ジョシュが途中のトイレで使ってみたコインを入れると香水が噴霧される機械。
コップで上手くハエを捕るシーン。
セントラルパーク動物園での妄想シーン。
CD/DVDショップでのラストシーン。
など、笑える小ネタも散らばっていて、不思議とエレノアの自由なキャラが憎めなくなる読後感でした。笑
sonozy

sonozy