TAMU

エイト・ハンドレッド 戦場の英雄たちのTAMUのレビュー・感想・評価

4.1
今年も来ました大阪アジアン映画祭にて。
本作、コロナ禍で公開作品が少なかった昨年度の映画界であったとはいえ『TENET』すら抑えて世界興収1位となった中国映画。

第二次上海事変における戦闘「四行倉庫の戦い」を描くもので、当時の上海を再現すべく20万平米のオープンセットを作り上げた他、200メートルの川まで作ったという。

なるほど、舞台となる1937年の上海、外国人居住地租界は驚きの美しさ。日本との戦闘で焦土と化した租界の外と、非戦闘地域の租界の夜の輝きは見たことのない鮮やかなコントラスト。

戦闘シーンの迫力も想像を超え、表現もリアルなので、かなり衝撃を受けるシーンも。

これIMAXで撮られてるので、IMAXの映画館で見られたら環境的に抜群だった模様。

内容も史実に基づくようで、日本軍の野蛮さや凶暴性を誇張するような表現は控えめ。あくまで、倉庫に立て篭もり逃げられない戦いに挑む400余名の中国軍と、川を隔てて安全圏から眺めていた租界住民が徐々に心を動かされていく姿を描く。

登場人物が多数、かつ淡白に切り替わっていくので中国俳優に疎い私としては、観賞後の復習が必要となったが、なかなか、それでわかったことも。

本作は中国での公開に1年掛かったらしい。原因はコロナだけでなく、中国人民軍ではなく国民党(中華民国)を賛美した映画なのだからという。確かに彼らが守る国旗はいわゆる台湾の青天白日旗。生き残った兵士も近年まで日の目を見なかったという。

また、残念でならないのは、その影響等で十数分カットされてしまったらしい。
いきなり電柱に首を括った人がぶら下がっているシーンがあるのだが、あのシーンに絡むストーリーはカットされてるらしい💦

決死隊のメンバーの最後も何故かカットされてるらしい。
完全版があったら是非見たいが、通常版が見れただけでも奇跡的なのかもしれない。
ありがとう。大阪アジアン映画祭♪
TAMU

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