TAMU

私を救わないでくださいのTAMUのレビュー・感想・評価

私を救わないでください(2019年製作の映画)
4.3
大阪韓国映画祭2本目。
『私を救わないで下さい』

当面、「一緒にアイス食べない?」で胸を熱くし、BTSの「봄날」にハマることになる一作。
アイスの件は小学生男子が女子に掛けたことばだが、「같이(一緒に)」ではなく、「우리(ぼくたち)」に、くぅ〜、距離縮まる〜てなるw

自分が好きな映画に共通するポイントであるが、登場人物は良いところも悪いところもあり多面的。
だからこそ、親近感も湧き、終わった後でキャストを皆好きになってしまう症候群到来w

本作は父親を亡くし、借金に追われた母娘。引っ越した先で転入生となった少女ソニュが、”なんにも知らない”少年ジョングクに出会う。

全体的に重苦しいなか、本作における”なんにも知らない”少年ジョングクはまさに天使。
やることなすこと裏目に出るが、その真っ直ぐな気持ちと水を吸収するかの如く成長する姿が心地よい。

そして子役怖い韓国にまたしても現れたソニュ。痩せ馬のような悲しい眼差しと、意志の強い強い眼差しが両方記憶に残る。

繊細な会話のやり取りや、小道具も光る。
特にチョコレートな。グッとくる。。

本作のタイトル込められたテーマは恐らく孤立。明確ないじめから、表層的な関係を保ったまま孤立させていく学級は現代のリアル。
また、母娘の愛情が深いからこそ起きかねない、後半の展開は考えさせられる。

それにしても、『わたしたち』、『はちどり』、本作と女性監督が身近な社会を描いた力作が続いており、韓国映画における更なる女性の活躍を大いに期待!

余談だが、ジョングクの兄ちゃんも良かったな〜。韓国の思春期男子は、自分は頭が良くてイケメンだとか、自意識過剰な告白するのかな? K-POPの歌詞とか見てるとしかねないとも思わんでもないがw
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